シャツの襟型は何を選ぶのが良いか?

2022年12月4日ファッション

伝えたいこと

レギュラーカラーか、ワイドカラーを選んでおけば問題なし!
ビジネスシーンで周囲と差をつけたい方は、タブカラーがオススメ!

自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!

ということで、今回はシャツの襟型について。

イタリアンクラシコ全盛から、クラッシック回帰の流れが見られるメンズドレスファッションにおいて、シャツの襟型にも変化が見られる、と個人的には感じています。

40代のオシャレオジサンを目指す?ともなれば、シャツ襟の大まかな違いぐらい、着こなしの基本として知っておきたいもの…。

シャツの代表的な襟型の違い、近年の傾向等について書いてみたいと思います。

なお、スーツの下に着る「ドレスシャツ」を前提としています。

カジュアルシャツの着方には言及していませんので、その点ご注意ください。

シャツの襟型の種類

一口に「襟型」と言っても、かなりの種類があります。

襟型図鑑

ワイシャツの襟型9種類をプロが解説!与える印象&コーディネートも紹介

シャツブランドによっては、独自で定義している襟型もあるようです。

全てについて熟知しているわけではないので、本記事では特にメジャーと思われる以下の6つの襟型についてご紹介します

  • レギュラーカラー
  • ワイドカラー
  • ボタンダウンカラー
  • ホリゾンタルカラー
  • ラウンドカラー(玄人向け)
  • タブカラー(玄人向け)

レギュラーカラー

襟の開きが狭めの襟型です。

写真がうまく撮れず申し訳ないですが、手持ちのレギュラーカラーのシャツです。
以降、私のお気に入りのBEAMS Fのオリジナルシャツが続きます。

皆さん、一度は見たことがあるであろう定番の襟型です。

明確に「襟の開きがXX度以内ならレギュラーカラー」とは聞いたことがないので、大体の感覚で分類されているものと勝手に推測しています。

なお、他の襟型と比べると分かりやすいのですが、剣先(襟の先端部分)が長めになるのが特徴です。

定番とは言え、イタリアンクラシコ全盛の2000年代中頃にはあまり見られなかった襟型でしたが、クラッシック回帰の流れで、近年復活を遂げている襟型です。

なお「復活を遂げた」とは言え、大手セレクトショップに並んでいるレギュラーカラーと、何十年も前のレギュラーカラーを比べると、雰囲気はかなり違います。

具体的には剣先が短くなり、また襟自体も小振りになっている印象でしたので、定番とは言え時代の変化によりアップデートはされているように思います。

ワイドカラー

レギュラーカラーよりも襟の開きが広い襟型です。

ワイドカラーの例。レギュラーカラーよりも襟の角度が広くなっているのが分かると思います。

こちらも定番の襟型の1つです。

レギュラーカラーとホリゾンタルカラーの真ん中に位置することもあり、時代によって襟の開きの角度が異なるように思いますが、狭くもなく広くもないという意味で一番着やすい襟型だと思います。

「レギュラーカラーってちょっと古臭く見えて抵抗ある…」という方にピッタリの襟型で、万能の襟型だと思います。

ホリゾンタルカラー

襟の開きがほぼ180度近くまで開いている襟型です。

ホリゾンタルカラーの例。襟がほぼ水平です。

英語のhorizontal=水平であるさま、という意味どおり、ワイドカラーと比べてみても襟の開きがめちゃくちゃ広い襟型です。

イタリアンクラシコ全盛の時代に主流だった襟型だと思います。

自分の若かりし頃を思い出します(笑)。

後ほどご紹介しますが、シャツの襟型はスーツの襟の切れ目、すなわちゴージラインとバランスを取って着ることが基本であり、イタリアンクラシコ全盛時のハイゴージのスーツには襟の開きが広いホリゾンタルカラーの相性が良かったので主流となったのではないか、と思っています。

ただ、クラッシック回帰の中でゴージの位置も少しずつ下がるとともに、この襟型も少なくなってきているように思います。

この襟型の弱点は、襟が開いている分、ネクタイの結び目以上にネクタイが露出してしまい、ネクタイがうまく襟の間に収まらないこと

正しくスーツを着る、という意味ではやはりシャツの襟にネクタイが収まっていることが必要なので、その点からあまりオススメはしません

一方で、ノータイで前ボタンを開けて着る際は、とても綺麗に襟がロールするので、ノータイで着るのであればホリゾンタルカラーもアリだとは思います。

ボタンダウンカラー

レギュラーカラー程度の襟の開きで、剣先をボタン留めできる襟型です。

ボタンダウンカラーの例。生地も地厚なシャンブレーで、ちょっとカジュアルより。

アメリカの某有名老舗ブランドが作った襟型と言われているらしく、アメリカ色強めの襟型です。

カジュアルシャツに多く見られる襟型のため、ビジネスシーンには不向きな印象のようにも思いますが、ドレスシャツの襟型としても定番に分類されるものだそうで、基本的に問題ないとされています。

ただ、個人的には日本のビジネスシーンでよく着られるような少し光沢のある生地のスーツや、ストライプのスーツとの相性はあまり良くないように思っています。

ボタンダウンカラーが合うのは、コットンやリネン、ツイードなどのややカジュアルな生地だと思います。

その意味では汎用性の少し低いシャツだと思っています。

なお襟型の話ではないですが、ボタンダウンシャツの場合は、ほぼ胸ポケットが付きのボディであることが多いです。

オススメはレギュラーカラーとワイドカラー

いったんここまででオススメを選ぶとすると、レギュラーカラーとワイドカラーです

ボタンダウンカラーも間違いなく良いんですがビジネスシーンでの汎用性が若干下がること、ホリゾンタルカラーはネクタイとの相性が良くないことから、こだわりがなければオススメはしません。

ということで、今回の記事はここで終了…、

というわけではなく、いったんここで区切ったのはこれからご紹介する2つの襟型は玄人向けであり、一般的なシャツ屋さんでの取り扱い数も多くはありません。

ただ、40代のオシャレオジサン?を目指すのであれば是非知っておいていただきたいですし、着ていただきたい襟型なので、個人の解釈も含めてご紹介したいと思います。

ラウンドカラー

剣先が丸くなっている襟型です。

ラウンドカラーの例。

丸みを帯びているため、近年のビジネスカジュアル化を受けて出てきた最近の襟型なのかな…と思っていたんですが、映画「ゴッドファーザー」にもラウンドカラーを着た描写があり、昔からある襟型のようです。

その点ではクラッシックであり、かつその丸みによりエレガントな印象もあるため、個人的には好きな襟型です

ただ、ラウンドカラーの出自を知らない人からすると、カジュアルなシャツと受け止められる可能性もあるため、ビジネスシーンでは以下のタブカラーの方が無難な気がしています。

タブカラー

襟の真ん中部分に紐(タブ)が付いた襟型です。

タブカラーの例。ネクタイをしている画像ではないので恐縮ですが、
これでネクタイをするとネクタイが持ち上がって立体的なVゾーンになり、エレガントさが増します。

ネクタイ着用後に、このタブを付けます。

襟型自身はレギュラーカラーのような見え方になりますが、この襟型最大の特徴はネクタイが持ち上がること。

タブにより、ネクタイが首元から若干浮き上がるため、立体的なVゾーンを作ることができます

こちらも昔からある襟型のようで、1970年代に日本でも着用されていたようです。

その点では、ラウンドカラーと同様にクラッシックな襟型に分類されるようです。

こちらは素人から見るとレギュラーカラーとあまり差がないように見えるため、ビジネスシーンにも取り入れやすいのではないかな、と思います。

パッと見にはあまり差がないように見えるかもしれませんが、ネクタイも綺麗に見えて、かつエレガントな雰囲気もあるため、レギュラーカラー、ワイドカラーと並び個人的にはオススメの襟型です。

あまり着ている人も見かけないので、周囲と少し差をつけることもできますしね。

なお、ネクタイが持ち上がる効果があるものとして、襟にピンホールを刺す、というのもあります。

手持ちの写真がないため、azabu tailorさんのブログをご参照ください。

シャツの襟型をおさらいしてみる

ピンホールにより襟元にアクセントができ、間違いなく格好いいんですが日本のビジネスシーンではさすがに馴染みがないため、ちょっとオススメし難いと思っています。

買える場所が限られる

これらのラウンドカラーやタブカラー、まだまだメジャーではないため通常の紳士服量販店では中々販売されていません。

買える場所が少ないのが欠点ではあります…。

とは言え、大手セレクトショップ、オーダースーツ屋さん、シャツ専門店では少量ながら取り扱いがあるようです。

トライしていただけると、また新たなスーツとシャツの魅力に気づいていただけるのでは、と思っています。

補足:スーツの襟との相性

スーツの下に着るドレスシャツを前提とした場合、スーツ自体にも襟が存在します。

スーツの上襟と下襟のことで、その間のラインを「ゴージライン」と呼ぶことは以前の記事でもご紹介しました。

ゴージは高い方がいいのか?低い方がいいのか?-ゴージラインについて-

実は、シャツの襟とスーツの襟は関係していまして、一般的には「シャツの襟は、ゴージラインと平行になるのが良い」とされているようです。

つまり、

ゴージラインが低いスーツの場合は、ゴージラインも垂直寄りになるので、シャツもレギュラーカラーのような襟の角度が狭いものが相性的には良く、

ゴージラインが高いスーツの場合は、ゴージラインも地面に対して平行寄りになるので、ホリゾンタルカラーのような襟の角度が広いものが相性的には良い、

ということになります。

先ほど、「レギュラーカラーが復活している」と書きましたが、クラッシック回帰の中でローゴージのスーツが出てきているため、必然的にローゴージに合うレギュラーカラーが出てきた、ということなのだと思います。

また、もう一つスーツの襟とシャツの襟との関係として、「それぞれの襟の大きさ」の関係もあります。

スーツのラペル幅が大きい場合は、シャツ襟の面積も大きいレギュラーカラーやワイドカラーが合い、

スーツのラペル幅が狭い場合は、シャツ襟の面積も小さいホリゾンタルカラーや襟が小さめのレギュラーカラーが合う、

とされています。

ここまで書くと、ゴージラインやラペル幅との関係がすごく重要に見えるですが、よっぽどチグハグでない限りはそこまで気にしなくても良いと思っています。

実際、ゴージラインと平行になるシャツや、ラペル幅に合うシャツを選び出すと、スーツにしろシャツにしろ、かなりの数が必要となり、現実的にはそこまで完璧にすることは難しいと感じています。

ということで「補足」としたとおり、あくまで目安としていただければ良いのかな、と思います。