パンツの裾(ダブル、シングル、タタキ)はどう仕上げる?ー仕上げ方の違いー
ドレスファッションでは、パンツの裾はダブルで4~4.5cmが基本
自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!
ということで、今回はパンツの裾の仕上げ方法(ダブル、シングル、タタキ)についてです。
スーツやスラックス購入時に、
「シングルにしますか?ダブルにしますか?」
と聞かれることがあると思います。
なんとなくシングルにしたり、店員さんにお任せの方もいらっしゃると思います。
今回はシングルとダブルの違い、ついでにタタキ仕上げの本当に基本的なことを共有します。
お読みの方のファッションレベルの向上に少しでも貢献できれば、嬉しい限りです…!
なお、パンツの裾幅についても記事を書いています。
プリーツやサイドアジャスター付きのパンツついても書いていますので、参考になれば幸いです。
サイドアジャスター付きパンツはオジサンが手を出すべきものなのか?
目次
シングルにするのはどんな時?
ドレスファッションにおいて、シングルはとてもフォーマルなパンツの仕上げだそうです。
フォーマルというと、タキシードや結婚式で男性が着るモーニングが該当します。
そのルールに則れば日常で着るスーツやジャケパンのスラックスは、シングルではないべきです。
ということで、現代の日常で履くスラックスは、後で紹介するダブル仕上げが基本となります。
ただ、あくまで基本であって、モードっぽいスラックスはシングルの仕上げが合うと思います。
ブーツカットもシングルの仕上げが基本です。
つまり、モードやカジュアルまで範囲を広げれば、例外はあります。
ただ、現代のドレスファッション、特にスーツやスラックスはダブルが基本と考えて良いと私は思います。
ダブルの幅をどうするか?
ダブルが基本となった場合、次に悩むのがダブルの幅、つまり折り返す幅の大きさです。
誰が決めたわけではないとは思うのですが、セレクトショップの店員さんからよく聞くのは4~4.5cm。
一番キレイに見えるバランス、とのことです。
身長や好みによっても違うところなので、目安として捉えていただければよいかと思います。
ただ、3.5cm以下の細めの幅や、逆に5cmを超える幅はスーツやスラックスでは一般的ではない、ということは言えると思います。
よって、こだわりがなければ全体のバランスも綺麗に見える4cm~4.5cmが無難かと思います。
タタキ仕上げはカジュアル専用の仕様
もう一つ、一般的な裾の仕上げ方に「タタキ仕上げ」があります。
メインで取り上げなかった理由は、「タタキ仕上げ」は一般的にカジュアルパンツの裾上げの方法だからです。
デニムやチノパン、カーゴパンツなどの仕上げの方法で、裾に縫い目が残っている仕上げです。
シングルと似ているようですが、裾に縫い目が残っていることが大きな違いです。
また縫い方の違いで、ロールアップしても表地が見えるので、その点からもカジュアル向きです。
なので、スーツやスラックスなどドレススタイルではまず選択肢に出てきません。
「タタキ仕上げ」は、カジュアルパンツの仕上げ専用、と考えていただければ良いかと思います。
補足:モーニングカットは?
上記のシングル、ダブル、タタキ仕上げ以外で、モーニングカットという仕上げ方もあります。
モーニングカットは前身頃の裾を短く、後身頃の裾を長く仕上げる方法で、フォーマルな場面で着るモーニング用のトラウザーにちなんだ方法です。
ということで、フォーマルな仕様のため、日常用の既製品のスーツではほとんど見ることはありません。
あくまで礼装用、という特殊な仕上げという理解で良いのだと思います。