~初めてのオーダースーツ~ステップ④-ボタンを選ぶ-

2022年11月27日オーダースーツ

伝えたいこと

ボタンの材質はホーンかナットで、後身頃はサイドベンツがオススメ

自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!

ということで、いよいよ仕様決定も最終段階。今回はボタンの材質とベントについてです。

正直、ここから先の仕様の違いはスーツの印象をそこまで左右するものではないかもしれません。

とは言え、「好きなものを選んで良いよ」と言われると悩んでしまうもの。

今回も一般的な違いと個人的な見解を交えながらご紹介するので、選択の参考となれば幸いです!

その他のオーダースーツについての記事は以下も参照ください。

~初めてのオーダースーツ~ステップ①生地を選ぶ

~初めてのオーダースーツ~ステップ②採寸してゲージを選ぶ

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-1仕様を決める(ジャケットのシングルorダブル)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-2仕様を決める(腰ポケットのデザインを決める)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-3仕様を決める(裏地の貼り方と袖ボタン)

ボタンの材質

胸と袖に付けるボタンはいろいろな材質があり、オーダー時はボタンだけを並べたカタログから好きなボタンを選ぶことになります。

ボタンの材質の種類は、大きく分けて6種類あります。

  • ホーンボタン(本水牛の角を加工したボタン)
  • ナットボタン(ヤシノミを加工したボタン)
  • シェルボタン(貝を加工したボタン)
  • プラスチックボタン
  • メタルボタン(ブレザー等についている金属製ボタン)
  • レザーボタン

ホーンボタンとナットボタン

スーツについては、一般的にはホーンボタンとナットボタンがグレードが高いと言われており、せっかくオーダーするのであればホーンボタンかナットボタンにすることをおすすめします。

なおホーンボタンとナットボタンの違いですが、両者ともプラスチックボタン等とは異なり天然素材ですが、以下のような違いがあります。

経年変化色味の種類
ホーンボタン材質が角なので染色できず、
あまり色の変化はない。
染色ができないため、
ナットボタンと比べると少ない
ナットボタンヤシなので本来の色は白。
経年で茶色がかった色に変化する。
染色できるため、
ホーンボタンと比べると多い
ホーンボタンとナットボタンの一般的な違い

スーツに付けるボタンは黒系か茶系が一般的なので、色味の多さ・少なさはそこまで影響しないと思います。

また、経年変化も相当の年月着ないとわかりませんので、短期的には両者の違いはあまりないとも言えます。

なので、ホーンボタナットボタンにするかは「インプレッション」に頼って、好みの色や柄があればそのまま決めていいと思います。

いちよ、色鮮やかで色味の選択肢が多いイタリア製の生地のスーツには色幅の多いナットボタンが、英国製の硬めの生地のスーツにはホーンボタンの相性が良いと聞いたことはあります。

が…個人的にはスーツに付けるのであれば、より重厚感を感じるホーンボタンの方が好きではあります。

わかりにくいですが、これがホーンボタンです。
水牛の角を削って作っているので同じ模様のものがなく、ボタンそれぞれの模様が異なればホーンボタンらしいです。

その他のボタン

その他、シェルボタンは貝を材質にしているので光沢のあるボタンです。

軽い印象に見えるため、スーツで使うことはあまりないと思います。

ただ、材質的に夏っぽさが出るためか、既製品の夏用カジュアルジャケットではシェルボタンが使われていることがあり、これはこれで格好いいです!

プラスチックボタンは名前のとおりプラスチック製のボタンです。

色味や模様が多く、パッと見るとホーンボタンみたいなプラスチックボタンもあり、既製品のスーツにはよく見られるボタンです。

ホーンボタン、ナットボタンと比較すると格式は落ちるとされており、既製品との差別化のため、個人的には上記のホーンボタンとナットボタン推しではあります。

メタルボタンはブレザーに、レザーボタンはスーツに使われることはほぼないため、割愛します。

ベントとは?

ベントは上着の後身頃の切れ込みのことです。

もともとは乗馬の際に乗りやすいように衣服に切れ目が入れらたことが起源ではないか、など発祥については諸説あるようですが、要は動きやすくするための切れ込みです。

近年のスーツでは2種類あります。

  • センターベント
  • サイドベンツ

センターベントは背中の中心で生地が分かれている仕様で、サイドベンツは背中の両端がそれぞれ分かれている仕様です。

特に機能的な違いはなく、ゆったりしたアメリカ製のスーツにはセンターベントが、シェイプ感の強いイギリス・イタリア製のスーツにはサイドベンツが歴史的に採用されることが多かったようです。

なので、割とゆったり目のスーツにはセンターベントが、かっちり目のスーツにはサイトベンツが合うとは、言われています。

個人的な感覚としては、センターベント=活動的、サイドベンツ=重厚感、というイメージなので、オーダースーツにはサイドベンツをオススメします。

サイドベンツの例。後身頃の両サイドに切れ込みがあります。センターベントのスーツは所有してませんでした。