パンツ(スラックス)のプリーツについて-シルエットを優先する-
パンツのプリーツの数や種類より、シルエットを基準にパンツを選んだほうが良い
自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!
ということで、今回はパンツのプリーツに関することを共有したいと思います。
一昔前前まではノープリーツ全盛でしたが、最近は1プリーツ、2プリーツのパンツもあり、選択肢が増えました。
それぞれ何が違うのか、色々なパンツを履いてみて思うところがありますので、迷われている方がいれば是非参考にしてください。
なお、パンツについては、裾幅についても記事をまとめました。
裾幅が細くシルエット細めのものから、裾幅の太いシルエット太めのものなど、こちらも選択肢が増えているので、気になる方はこちらもご覧ください。
またパンツの裾の処理やサイドアジャスター付きのパンツの特徴についても、以下で触れていますので、気になられる方はご参照ください。
サイドアジャスター付きパンツはオジサンが手を出すべきものなのか?
目次
プリーツとは?
イメージは、お腹の出たおじさん達が履いているスラックスによく見られる、ポケット付近にある生地の折り目のこと。
あれが「プリーツ」です。
腰回りにゆとりが出るため、もっぱらウエストの調整のために付けられることが多いイメージです。
が、もともとクラッシックなドレスファッションでは、少しゆとりをもったスタイルが多かったので、腰回りにゆとりを出したプリーツの入ったパンツが主流だったと思います。
メンズファッション全体がクラッシックムードに回帰する中で、プリーツも昨今復活してきた・・・ということで目にする機会が増えたんだと考えています。
おじさんのスーツによくプリーツが入っているのは、シルエットとかクラッシックとかの意識ではなく、単純に「お腹が出ても動きやすい」、ということだと勝手に推測しています。
いつからノープリーツがメインとなったのか?
これも推測ですが、イタリアンクラシコが全盛となった2000年代前半ぐらいからかなー、と思います。
当時はとにかく、体のラインにそったパツパツのシルエットが流行っておりました。
当時のPT01や、ラルディーニ等のイタリアブランドの服を今着てみると、すんごいタイトです。
それはそれでイタリアっぽさ全開で嫌いではないのですが、要はそんなタイトでスタイリッシュなシルエットに、ゆとりが出るプリーツは合わない。
ということで、当時売られていたスーツにしろ、スラックスにしろほぼすべてノープリーツだったと記憶しています。
当時はプリーツ入りのパンツ=おじさん臭いというイメージ。
それが時が経って今、ノープリーツと同じぐらいの地位として受け入れられていると思うと、ファッションは巡るものなんだなー、と改めて感じます。
プリーツの数と種類
プリーツは入っている数により、概ね1プリーツと2プリーツに分かれます。
さらにプリーツの山が外に向いているか、内に向いているかで、アウトプリーツとインプリーツに分かれます。
(ビスポーク(スーツのフルオーダー)では他の種類のプリーツもあるようですが、主流ではないので割愛します)
プリーツの数が多いほど、腰回りにゆとりが出ますし、クラッシックな印象が強くなります。
また、アウトプリーツにすると、腰のプリーツから裾までのパンツのラインが直線的となり、インプリーツにするとラインは少し丸みを帯びたものになります。
それぞれのプリーツの数と、アウトプリーツとインプリーツの違いをまとめると以下のようになります。
アウトプリーツ | インプリーツ | |
ノープリーツ | ー (プリーツなし、カジュアル寄り) | ー (プリーツなし、カジュアルより) |
1プリーツ | ちょっとクラッシック | ー (既製品ではほとんど見ない) |
2プリーツ | クラッシック寄り、 パンツのラインは直線的 | クラッシック寄り パンツのラインは少し丸くなる |
プリーツよりもシルエットを基準に選ぶのが良い
ちゃぶ台をひっくり返すようでなんですが、結論、細部にこだわらなければ、プリーツの数や種類はあまり気にしなくて良いです。
というのも、プリーツは腰回りのディテールです。
シャツをパンツの中に入れる(タックイン)する場合はプリーツが見えますが、ニットやシャツを外に出してしまうと、プリーツの数や種類はほぼ見えなくなります。
むしろパンツの色、素材、そして何よりも全体のシルエットを基準に、自分にあったパンツを探すことが重要だと思います。
つまりプリーツはあくまでサブ的な要素で、プリーツの数や種類で悩むよりも、全体のシルエットが気にいるかどうかで選ぶのが良いです。
なお、プリーツと全体のシルエットの関係で一点注意点があるとすると、例えばくるぶし丈など短い丈のパンツで、軽快に履く場合はノープリーツのパンツにされるのが良いです。
プリーツ入りのパンツはクラッシックな印象のパンツが多く、全体のシルエットも少しゆとりがあるものが多いので、パンツの丈もやや長め、目安はハーフクッションぐらいで履くのが正解です。
参考:お国柄の違い
ご参考までですが、インプリーツは「レギュラープリーツ」とも呼ばれ、イギリス、フランスのスーツに多い傾向です。
一方で、アウトプリーツは「リバースプリーツ」とも呼ばれ、イタリア、アメリカのスーツに多い傾向です。
確かに、ベルナールザンスに代表されるフランスブランドのパンツはインプリーツが多い気がしますし、PT torinoに代表されるイタリアブランドのパンツはアウトプリーツが多いような気がします。
よって服の雰囲気、カラフルな色合いのカーディガンなどでフレンチっぽい雰囲気の場合はインプリーツを、逆にボタンダウンシャツなど、アメリカっぽい雰囲気のときはアウトプリーツを選ぶ、という方法もあると思います。