~初めてのオーダースーツ~ステップ③-2仕様を決める(腰ポケットのデザインを決める)
ドレス寄りにしたいならフラップポケット、カジュアル寄りにしたいならパッチポケットで。
自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!
ということで、前回の「③-1 ジャケットのシングル or ダブル生地を選ぶ」に続いて…、
~初めてのオーダースーツ~ステップ③-1仕様を決める(ジャケットのシングルorダブル)
今回は「③-2 ポケットのデザインを決める」ステップについて、ご紹介します。
なお、ポケット以外にも色々とオーダーすることができます。例えば、
- 裏地の貼り方をどうするか
- 袖ボタンの数、仕様をどうするか
- サイドベントか、センターベントか
- ステッチ幅、数をどうするか
といったものがありますが、それはまた別の機会にご紹介します。
目次
腰ポケットの種類は3つ
- フラップポケット
- パッチポケット
- スラントポケット
一般的には、フラップポケットがドレス寄り、パッチポケットがカジュアル寄りになります。
ドレス寄りなフラップポケット
フラップポケットとは、スーツに切れ目が入ったようなポケットでフタのような生地がついているものです。
フラップとは「フタ」の意味で、本来はポケットの中にホコリが入らないようにするため、付けられたもの。
屋外では、フラップを外に出す。
屋内では、フラップを中にしまう。
のが本来の着方だそうですが、フラップを中にしまっている姿の方がシンプルに見えます。
いちいち出したりしまったりするのも面倒なので、特に好みがなければフラップは中に入れておいてしまっていいかと思います。
そのシンプルな見栄えからか、ビジネススーツは一般的にフラップポケットが多いです。
ドレス寄りなスーツを作る場合もフラップポケットが適しています。
ちなみにフラップ自体がいらない、というのであればフラップをつけないオーダーも可能です。
なお、フラップポケットの上に小さいポケットがもう1つ付いているものもあります。
通称「チェンジポケット(←和製英語で、本当はチケットポケットが正解らしい…)」と呼ばれるもので、かつてのイギリスのスーツに多く見られるポケットです。
現在と違い、昔は小銭を持ち歩くのが普通だったので、小銭を出し入れしやすいように作られたポケットのようです。
スーツを生んだ国、イギリスがルーツなだけに、チェンジポケットが付くと少しクラッシックな印象が出ます。
特に流行り廃りがあるものでもないので、気に入れば付けていただいていいのでは、と思います。
カジュアル寄りなパッチポケット
スーツ自体に切れ目を入れるのではなく、本体の生地の上に別布を当てたポケットのことです。
一般的にはこちらのほうがカジュアルです。
生地との相性で決めるべし!
腰ポケットの違いを書きましたが、腰ポケットだけでスーツの雰囲気が決まるわけではありません。
やはり、スーツの雰囲気は生地で決まると思います。
よってポケットも生地との相性で選ぶのが良いです。
光沢のあるなめらかなドレス寄りの生地であれば、ドレス寄りのフラップポケットが相性が良いです。
あまりないかもしれませんが、コーデュロイなどの明らかにカジュアル生地のスーツであれば、パッチポケットの方が相性が良いです。
一方でフランネルなどのドレス寄りな雰囲気にも、カジュアル寄りの雰囲気にも対応できる生地の場合は、どちらに寄せて着たいかで、フラップポケットかパッチポケットのいずれを選んでも良いかと思います。
スラントポケットは?
スラントポケットは、フラップポケットが斜めに付いているものです。
普通のフラップポケットは地面と平行なので、その点が違います。
ボタンに向かって上昇するように斜めに付いているため、全体的にシャープに見えます。
昨今は細身のスーツよりも適度なゆとりのあるジャストサイズのスーツがトレンドのため、大手セレクトショップの既製品ではほとんど見ることがなくなりました…。
個人的にはトレンドではなくても、気に入ればスラントポケットで作っていただいてもいいかと思います!
人と違うものを作れるのがオーダーの醍醐味ですし。
参考:胸ポケットは?
腰ポケット同様に、胸ポケットにも種類があります。
腰ポケットほどスーツの雰囲気を左右するものではないのと、スーツといえば基本的には箱ポケットかバルカポケットになるので、今回は割愛しました。
以下のサイトに説明がありましたので、気になる方はこちらを見ていただくと良いかと思います。
ポイントは、腰ポケット同様にパッチポケットはカジュアル寄りです。
ただ、胸ポケットまでパッチにするとかなりカジュアル寄りになるため、ビジネスシーンでも使うことを想定するのであれば、箱ポケットかバルカポケットのいずれかにしておくのが無難です。