中小企業診断士 2次試験突破のコツ~過去問の解き方編~
本番と同じ時間で過去問を解き、時間配分と対応付けを記録するのがオススメ
自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!
今回は、40代のステップアップ?に役立つかはわかりませんが、久しぶりに中小企業診断士試験のことを。
基本的なことになるかもしれませんが、2次試験過去問の私なりの解き方をご紹介したいと思います。
なお、合格へのきっかけになったであろうオススメの教材である「ふぞろいな合格答案」については、以下の記事で書いています。
「ふぞろいな合格答案」を読んで気づいたオススメの2次試験の解答の書き方については、以下の記事も書いています。
合格までに5年近くかかりましたが、以下の勉強法が悩める受験生の方々の一助になれば幸いです…!
勉強方法全般や、過去問を何年分解くのが良いのかについては、こちらでも触れています。
中小企業診断士 2次試験突破のコツ~過去問は何年分を何回解くのが良い?~
なお、私が特に苦手だった事例Ⅰ~Ⅲを前提にしていますので、その点はご了承下さい。
また、以下では出題される事例のことを「与件文」、問題のことを「問題文」と読んでいます。
目次
過去問を解く際のポイント
個人的に、過去問を解く際のポイントは以下の2つ。
1.本番と同じ時間で解くこと。
2.時間配分を記録すること。
3.与件文に問題文との対応付けを記録すること。
何ら変わったところがない、どこかで見たことがあるポイントかもしれませんが、詳しくご紹介します。
1.本番と同じ時間で解く
本番の時間と合わせて解きましょう、という単純なことです。
これは「タイム感」というか、本番の80分という時間感覚を体に覚えさせるため。
緊張感も持てますし、時間がないときにどうするのか、ということを考える良いトレーニングにもなりますので、しっかり時間を測って本番どおりに取り組むのがオススメです。
さらに、時間の計測に関してはもう1点重要なことがあります。
2.時間配分を記録する
さらにオススメなのは、
①問題文を解釈したのに使った時間
②与件分を読むのに使った時間
③答案の構成を考えるのに使った時間
④実際に答案を書いた時間、
など、自分が解答に使った時間を測っておくことです。
これにより80分の試験時間の中で、どの作業に時間を使っていたのかを事後的に確認することができ、自分の時間配分を把握することができます。
過去問を解いてみて①問題文の解釈に15分、②与件文を読むのに20分、③答案構成に15分、④実際に答案を書くのに30分かけたとします。
振り返って見て、答案を最後まで書ききる時間がなかった…ということであれば、④の実際に答案を書く時間を35分にし、①問題文の解釈を10分に短縮したほうが良さそうだ、ということになります。
時間配分により本番のメンタルを落ち着ける
これを繰り返すことで、自分なりのベストの時間配分がわかってきます。
事例の得手不得手により、事例によっては時間配分が変わってくるかもしれませんが、時間配分を事前に設定しておくことで、冷静な対応が可能となります。
もし、自分なりの時間配分がない場合、本番での問題文が難しく①の問題文の解釈に20分使ってしまったら…、何となく急がないと、という焦った気持ちになってしまい、慎重さを欠いてしまう可能性もあるかもしれませんよね。
一方で、自分なりの時間配分があれば、③の答案構成を5分短縮し、④の答案を書くのも少し急いで5分短縮した35分で仕上げるようにしよう、というような冷静かつ戦略的な時間配分が可能になります。
こういう冷静な判断が本番時のメンタルを左右します。
地道な方法ですが、時間配分の設定は是非実施していただきたいです。
ご参考までに、私の時間配分は①問題文の解釈に10分、②与件文を読むのに20分、③答案構成に10分、④実際に答案を書くのに40分、という配分でした。
問題文を先に読んでから対応付けする
先程①~④を見て、
「自分の解き方と違う!」
という方もいらっしゃったかもしれません。
問題の解き方として、①先に問題文を読んで論点を仮定してから与件分を読む方法もあれば、その逆で②与件分を一とおり読んでから問題文を読む方法の2パターンの方法があると思います。
先程の例の時間配分は、①の方法を前提にした方法でした。
正解はないのかもしれませんが、個人的には①の方法をオススメします。
理由は、「解答の書き方編」に書いた合格の近道であると思われる「全部のせ答案」を書くには、与件文から可能な限り多くの解答要素を拾ってくる必要があるためです。
(「全部のせ答案」については以下を参照ください。)
そのためには、与件分の内容と問題文で問われていることをスムーズに「対応づける」必要があり、そのためには問われていることを把握したほうが早い。
ということで、問題文を先に読み、問われていることを頭に入れてから与件分を読むことをオススメします。
3.与件文に問題文との対応付けを記録する
問われていることを把握した後、与件分を読む際には、解答に使いそうな要素が出てきたら問題番号を記録するなど、問題文との「対応付け」を書いておきましょう。
例えば、与件分を読みながら「これは問題1に使う!」と思えば、与件文のすみっこに「問題1」などを書いて記録する、ということです。
これは後で実際に解答を書く際に、拾い漏れがないようにするため。
与件分を読み終わったあと、問題文を見ながら何度も与件文とにらめっこしながら解答を考える時間があると思います。
その際に、重要な点がどこだったかパッと見てわかるようにしておくためです。
なお、ここでは(仮)の対応付けでOKで、初見で正しい対応付けをする必要はない、と思っています。
後に解答構成を考える際に、与件文と問題文の対応付けは改めて検討することになります。
最初に読むときは、「正しい対応付け」をするのではなく、大事な解答要素を見逃さないようにするため。
そのため、対応付けが正しいかどうかにこだわらず、とりあえず使いそうな解答要素があれば、どこかしら関係しそうな問題文に紐づけて記録しておけば良いと思います。
余談ですが、試験会場を見ていると、対応付の方法は人によってまちまちのようで、ラインマーカーで色付けしているような方もいれば、消えるボールペンで色付けされるかたなど、さまざま。
私はペンをいちいち持ち替えるのが面倒だったため、シャーペンで番号を振っていましたが、ここは何が正しいということはないので、色があったほうがわかりやすければ、ラインマーカーやボールペンでも良いかと思います。
補足:「ふぞろいな合格答案」で過去問を解く際の注意点
では早速、「ふぞろいな合格答案」で過去問を解いてみよう!
と思って、取り組まれる方に一点だけ補足を。
「ふぞろいな合格答案」は解答の事例や、合格者の勉強方法等の紹介にフォーカスを当てた本です。
なので、事例Ⅰ~Ⅲの過去問それ自体は掲載されていますが、ページ数が多い事例Ⅳの過去問は省略されていたりします。
さらに答案用紙もないため、自作する必要があります。
この点、答案用紙までついた5年分の過去問題集が大手専門学校から出されているので、過去問題集は別途用意されても良いかもしれません…。
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「ふぞろいな合格答案」の唯一の欠点ではないかと思っています。