~初めてのオーダースーツ~ステップ①生地を選ぶ

2022年12月4日オーダースーツ

伝えたいこと

生地を選べるのがパターンオーダーの醍醐味!生地に迷ったら、サロンの方に迷わず相談しよう。

自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!

ということで、今回はスーツのパターンオーダーの流れと、最初のステップである「生地を選ぶ」ステップについてご紹介したいと思います。

かれこれ3社ほど、スーツのオーダーサロンを利用しました。

結果、「生地を選ぶ」という魅力に取りつかれてしまい、今では既製品のスーツを買うことより、オーダーしてスーツを作ることの方が多くなりました。

40代ともなれば、スーツの1着や2着をオーダーシたいと考える方も多いのではないでしょうか?

ただ、初めてスーツをオーダーするときは、

「何をどこまで調整できるのか?」

「本当に自分のイメージに合ったものができるのだろうか?」

という不安がありました。

そこで、スーツのオーダーに興味はあるけど、なかなか勇気が出ない、という方の安心材料になればと思い、

「オーダーでは何ができるのか?」

「どうやってオーダーするのか?」

「既製品とは何が違うのか?」

「価格は?」

などについて、まだまだ浅い経験ではありますが、一消費者の観点からいくつかの記事で情報提供できればと思います。

そこで、パターンオーダーの流れに沿って、各ステップごとの詳細を、記事を分けて紹介したいと思います。

最初に~パターンオーダーの流れ~

まず最初に、パターンオーダーの流れを簡単に紹介すると、

  1. 生地を選ぶ
  2. 採寸してゲージを選ぶ
  3. 仕様を決める
  4. ボタンを選ぶ
  5. 裏地を選ぶ

という流れになります。

納期はだいたい1ヶ月~1.5ヶ月であることが多いです。

価格については、選んだ生地によるところが多く、安めの生地を選べば10万円前後

高い場合は20万円前後、というイメージです。

なお、生地の値段は生地メーカーのブランドによっておおよその価格帯が決まっています。

サロンの方に予算を伝えておけば、予算の価格帯近くの生地を出してもらえるはずなので、予算が決まっていれば、最初に伝えておきましょう。

他のステップの記事は、以下をご参照ください。

~初めてのオーダースーツ~ステップ②採寸してゲージを選ぶ

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-1仕様を決める(ジャケットのシングルorダブル)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-2仕様を決める(腰ポケットのデザインを決める)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-3仕様を決める(裏地の貼り方と袖ボタン)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-4仕様を決める(ボタンの材質とベント)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-5仕様を決める(裏地選びとステッチ)

ステップ1:生地を選ぶ

オーダーの最初のステップである、「バンチブック」から仕立てる生地を選びステップです。

個人的にはここがオーダー最大の魅力だと思っています。

なので、皆さんにも楽しさを知っていただきたいところです。

バンチブック、とは聞き慣れない言葉ですが、生地の一部がファイリングされている細長い箱の形状をしたもののことです。

その生地をめくりながら、お目当ての生地を見つけていきます。

1つのバンチブックの中にも20枚~50枚ぐらい生地が入っており、さらにバンチブックも生地のメーカーごとに複数存在します。

よって、全てのバンチブックの生地を合わせると数百から数千の生地があることになります…。

これら全てを見ることは不可能ですし、最初は違いが分からずに呆然としてしまうかもしれません。

なので、最初はオーダーサロンの方に①色味、②着用時期、③着用するシチュエーション等の希望を伝えるのが良いと思います。

普通のオーダーサロンなら、伝えた希望にマッチしそうな生地を複数持ってきてくれます。

そこに希望の生地がなければ、再度希望を伝えて生地を探してもらう…。

という流れを何度か繰り返せば大体お気に入りの生地は見つかります。

最初はオーダーのサロンの方にお任せしちゃいましょう。

最初にパターンオーダーしたシングルの冬用スーツ。愛着も湧き、お直ししながら今も着ています。

生地を選ぶ際の注意点

一点だけ、生地を選ぶ際の注意点があります。

それは、「スーツ用の生地とジャケット用の生地がなんとなく分かれている」ということです。

オーダーなので、選ぶ生地に制約はありません。

好きな生地を選べば良いのですが、基本的に、

  • 無地か遠目無地の地味な柄ものの生地→スーツ用
  • 大きめの柄のチェックや色味が派手なもの→ジャケット用

と思ってもらうのが良いかと思います。

ジャケット用の生地は、下に無地のスラックスやチノパンを履くことが前提のため、少し派手目な生地が多いです。

このため、間違ってジャケット用の生地でスーツをオーダーしてしまうと、全身チェックのかなり派手なスーツが出来上がってしまいます…

それが希望であれば良いのですが、

「仕事用に気に入った生地でスーツを作ったら、めちゃくちゃ派手で着ていけない…」

という失敗をしてしまうのは、せっかくのオーダースーツなのにあまりにもったいない。

バンチブックの表紙を見ると「スーツ用」、「ジャケット用」、「コート用」などの記載があるので、それを参考にすれば良いですし、普通のオーダサロンなら、

「この生地はジャケット用でオススメしています。こちらの生地はスーツ用ですかね…。」

といった感じでやんわりと区分を伝えてくれるはずです。

これもどちらか分からなければ、思いきってオーダーサロンの方に聞いてしまいましょう。

目付けとは?

生地を選んでいると、

「これは目付けXXグラムで…」

という言葉をオーダーサロンの方から聞くかもしれません。

目付けについては、以下のサイトが参考になるかと思います。

生地の目付(めつけ)って何だろう?

簡単に言うと、生地の重さのことであり、軽ければ夏用、重ければ冬用になります

繊維の種類(ウールやリネンなど)により、目付けだけで一概に夏用か冬用かは言えませんが、目安にはなります。

バンチブックの生地の右上に貼られているシールにも

「250gr」

などの記載がありますので、生地を選ぶ際の参考にしていただけるとよいかと思います。

最初のオーダーでオススメの生地

私自身も生地についてはまだまだ勉強中でして、一概にどの生地が良い、とはなかなか言いづらいところではあります。

ただ、「最初のオーダーでオススメの生地は何か?」と言われたら、

  1. 色は濃いめのネイビーが濃いめのグレー
  2. 無地か、柄ものでも遠目には無地に見えるほどの薄めの柄もの
  3. ビジネス専用ならやや光沢のある生地、オンオフ兼用なら光沢のない生地

という基準で選ぶのをオススメします。

「1」は色味で、濃いめのネイビーかグレーとしたのは、メンズファッションでは特に汎用性が高い色だからです。

ネイビーもグレーも、濃いめよりも若干明るい方がオシャレには見えると思います。

が、最初の1着目としては、やはり最もベーシックなものを作っていただいたほうが着用場面も多くなると思いますので、まずは濃いめの色味をオススメします。

「2」は柄の強さについてでして、柄の主張が強すぎると着用するシーンも減ってしまうので、無地か無地に近いものが1着目としては無難、と考えています。

実際、最初に私がオーダーしたスーツはミディアムグレーで、うっすらグレーのヘリンボーンが入った、遠目無地のスーツです(上の写真をご参照)。

すでにオーダーして4年経っていますが、オンオフ共に着用でき、未だに飽きずに着ています。

「3」は、生地の光沢について。

一般的に、ツヤ感のある光沢のある生地はビジネス用、マットな生地はオンオフ兼用の生地と思われます。

例えば休日にセットアップとしてニットに合わせて着るなど、オフでも使う可能性があれば、光沢のない生地を選択するのが良いと思います。

スーツをセットアップとして着れるようになると、コーディネートの選択肢も増えますので、個人的にはオンでもオフでも着れる光沢のない生地をオススメします

生地を選べることがオーダーの醍醐味!

今回はパターンオーダーの最初のステップである、「生地を選ぶ」ステップを取り上げました。

最初は戸惑いますが、慣れてくれば自分好みの生地を選べる、楽しい時間になります

これ以降のステップについても、別の記事で紹介していますので、是非そちらも参考にしていただけると嬉しいです。

参考:オーダーの種類

実は「オーダー」と言っても、大きく分けてパターンオーダーとビスポークの2種類があります。

パターンオーダーは、すでに用意してあるスーツのパターン(型紙)に対して、フィッティングをとおして微調整する方法です。

大手百貨店が「○着で79,800円!」と電車のつり革広告で宣伝しているものも、多くがパターンオーダーです。

一方で、ビスポークはフィッティングをとおして型紙から書き起こす方法です。

自分の体に合った、自分だけの型紙を書いてもらうため、特に着心地やシルエットは素晴らしいと言われています。

ただ、私もビスポークは未経験です。

というのも、ビスポークは型紙を書き起こす手間もさることながら、職人さんが手縫いすることが多いため、最低でも30万円程度はかかります

家族のいる身として、さすがにスーツ1着に30万円は手が出せない…という状況です。

いつかは挑戦できれば、と思っています。