~初めてのオーダースーツ~ステップ③-3仕様を決める(裏地の貼り方と袖ボタン)
仕様に悩んだら裏地は背抜き、袖ボタンは4つボタンの重ね付けで!
自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!
ということで、オーダーで選ぶことになる裏地の貼り方と袖ボタンについてです。
マニアック過ぎて誰も気にしていない・・・かもしれませんが、作る側として気になるもの。
選択のヒントになれば幸いです!
その他のオーダースーツについての記事は以下も参照ください。
~初めてのオーダースーツ~ステップ③-1仕様を決める(ジャケットのシングルorダブル)
~初めてのオーダースーツ~ステップ③-2仕様を決める(腰ポケットのデザインを決める)
目次
裏地とは?
スーツの内側についているツルツルした生地です。
これがあることで、スーツと体の動きの摩擦を少なくし、着心地が良くなります。
裏地の貼り方には3種類あります。
誤解を恐れずに言うと、裏地を貼る面積の違いで、
- 総裏(内側全面に裏地を貼る)
- 背抜き(背中半分+脇下まで裏地を貼る)
- 半裏(背中半分のみ裏地を貼る)
総裏が一番裏地の面積が広く、半裏が一番狭いです。
裏地の貼り方の違い
裏地の貼り方により、スーツの耐久性と保温性が変わります。
内側びっしりに裏地が張られている総裏が最も耐久性が高く、保温性も高くなります。
逆に背抜きや半裏のほうが裏地の面積が少なく、通気性は良くなります。
裏地の貼り方のによるざっくりの違いは以下のような感じです。
裏地の面積 | 耐久性 | 保温性 | 通気性 | スーツとの相性 | |
総裏 | 広い | ◎ | ◎ | △ | 秋冬用スーツに良い |
背抜き | 半分 | ○ | ○ | ○ | 春夏用スーツに良い |
半裏 | 狭い | △ | △ | ◎ | 盛夏用スーツに良い |
で、どう選ぶ…?
上の表だけ見ると「せっかく高いお金出して作るんであれば耐久性の高い総裏かな…」と見えてしまうかもですが、あくまで相対評価です。
背抜きや半裏だったとしても、デリケートな扱いが必要なほど耐久性が低いわけではありません。
普通に使うのであれば、背抜きや半裏でも問題ないです。
実際、セレクトショップの既製の秋冬用スーツの多くが、背抜きや半裏だったりします。
正確な理由は確認できていませんが、おそらく
- 裏地が少ない方が着心地が多少軽くなる
- 秋冬でも室内が暑い日本ではそこまで保温性が必要ない
ということなのかなー、と勝手に推測しています。
なので、バランスを取って背抜きにしておくのがベターなのかな、というのが個人的な考えです。
もしスーツに選んだ生地がカシミア系などの柔らかい生地の場合は、総裏にしたほうが良いと思います。
生地自体の耐久性が低いので、裏地でカバーするのが良いかと思います。
袖ボタンは?
袖ボタンも数や付ける間隔が選択できます。
まず袖ボタンの数は、最近のスーツであれば3~4個がほとんど。
数が少ない方がカジュアルに見えるので、ニットジャケット等はボタンがないか、付いていても1~2個が多い印象です。
よって、スーツであれば袖ボタンは3個か4個にしておくのが無難です。
袖ボタン3個と4個の差は好みになりますが…どちらかといえば4個が最近のトレンドだと思います。
もし、スーツにニットやポロシャツを合わせるなど、ドレスダウンしてカジュアルで着ることを考えているのであれば3個が良いかな、と個人的には思います。
袖ボタンを付ける間隔
これは袖ボタンを付ける間隔で、ボタン同士が離れているのか、はたまた重なっているのか、という違いです。
こんなことまで決めるのか…ということで、もはやここまでくればサロンの方にお任せでいいかもしれません(笑)
いちよどんな違いがあるかというと、
袖ボタンの間隔が広いているとのんびりしたカジュアルな感じに、逆に袖ボタン同士に間隔がなく接しているとドレスっぽい印象となります。
さらに袖ボタン同士を重ねる方法もあり、これはイタリア製のスーツ等で多く見かける方法です。
重ね付けすると、ボタン同士が若干浮き上がるので、多少装飾性が増すように個人的には感じますが…微々たる差かと思います。
よってスーツを前提とすれば、袖ボタン同士を接するか、重ね付けするかのどちらかとしておけば、間違いないです。
強いて言えば、最近は重ね付けが多いように思いますので、迷ったら重ね付けで良いです!