~初めてのオーダースーツ~ステップ②採寸してゲージを選ぶ

2023年1月7日オーダースーツ

伝えたいこと

仕上がりのサイズを決める重要なステップなので、遠慮なく要望を伝えよう!

自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!

ということで、スーツオーダー時の最初のステップである「①生地を選ぶ」に続き、「②採寸してゲージを選ぶ」ステップについて、ご紹介したいと思います。

本記事意外のパターンオーダーのステップについては以下もご参照ください。

~初めてのオーダースーツ~ステップ①生地を選ぶ

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-1仕様を決める(ジャケットのシングルorダブル)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-2仕様を決める(腰ポケットのデザインを決める)

~初めてのオーダースーツ~ステップ③-3仕様を決める(裏地の貼り方と袖ボタン)

~初めてのオーダースーツ~ステップ④-ボタンを選ぶ-

~初めてのオーダースーツ~ステップ⑤-裏地選びとステッチ-

ステップ2:採寸してゲージを選ぶ

無事に生地を選んだら、次に「②採寸をしてゲージを選ぶ」ステップになります。

「採寸」と「ゲージを選ぶ」の2つに分けて説明します。

まず「採寸」ですが、これはそのままの意味です。胸囲や胴回り等をメジャーで図ることです。

オーダーサロンの方がヌード寸(肌着の状態での体の寸法)を測ってくれます。

「採寸」で大まかなサイズが分かれば、次に「ゲージを選ぶ」ことになります。

オーダー2着目のダブルのスーツ。
ブラウンのスーツは初挑戦でしたが、このスーツをきっかけにブラウンスーツの魅力に取りつかれることに…。

ゲージとは?

ここで、「ゲージ」という聞き慣れない言葉がでますが、要は「サイズの幅」です

イメージはS、M、Lのことで、スーツでは44、46、48…といった数値で表現されることが多いです。

「パターンオーダー」という名のとおり、標準となるパターンのスーツとサイズは最初から用意されています。

つまり「ゲージを選ぶ」とは、採寸した寸法に沿って、サロン側が用意している標準パターンのスーツから自分にあったサイズを選ぶこと

になります。

パターンオーダー≠何でも変えれる

私はパターンオーダー未経験のころ、

「パターンオーダーって、何をどこまで変えれるんだろう?」

と思っていたのですが、「ゲージを選ぶ」でご紹介したように、標準パターンのスーツがオーダーのベースとなります。

つまり、襟の形やサイズバランスを大幅に変えることは難しい、ということです。

もちろん、標準パターンのスーツに多少の調整を行うことはできます。

例えばウエストを細くしたり、袖の長さを短くしたり、という自分の体に合わせるためのサイズ調整はもちろん可能です。

一方で、

  • ゴージライン(スーツの上のエリと下のエリをつなぐ縫い目の事)を大幅に上げる or 下げる
  • ラペル幅を大きく細くする or 太くする

など、スーツ自体のデザインに関する仕様も調整することはできますが、これらの調整には限界があります
(例えばラペル幅なら「XXミリまでなら広くor補足することが可能」、というのがあらかじめサロンで決められています。)

なお、ゴージラインについては、以下のサイトにわかりやすい解説がありますので、ご参照ください。

ゴージとは? 1分で理解できるスーツのゴージラインの解説

また、私自身の解釈に基づくものではありますが、ゴージラインについての記事もありますので、こちらもご参照ください。

ゴージは高い方がいいのか?低い方がいいのか?-ゴージラインについて-

ゴージラインの話にそれてしまいましたが、要はパターンオーダーでは、何でも自由に変えれるわけではありません。

逆に言えば、オーダーサロンごとに標準パターンのスーツがあるため、それこそがオーダーサロンの違いになります

標準パターンのスーツが自分の好みにあったものか、少し違うのであればどこまで調整できそうなのか、を確認することがこのステップで特に重要なことになります。

最後にゲージから微調整

ゲージが決まれば実際に着てみて、背中に余分な生地のあまりがないか、肩周りの可動域はどうか、などの調整を行います。

標準パターンのスーツから、お客さんの体型に合うように各所を調整する作業です。

ここがオーダーサロンにいる方(体型に合うように調整をする人、という意味で「フィッター」と呼ばれることもあるそうです)の腕の見せどころだそうです。

なので、もしゲージを着てみてサイズがキツイ箇所や納得がいかない箇所があれば、どんどん要望を伝えましょう

サイズ感はここで決まってしまいますので、遠慮する必要はありません。

ゲージを着て、思う存分体を動かしてみて、不自由な部分がないかを確認しましょう。

なおオーダーサロンによっては、採寸のステップを飛ばしていきなりゲージを着てみて、そこから調整することもあるようです。

微調整時の注意点

ここからはゲージの微調整にあたり、個人的に気をつけた方が良い点をご紹介します。

まずはジャケットのウエスト。

あまりに細いとネクタイをした時に、窮屈になりますし、前ボタンを閉めて座った時に下腹部が締め付けられる感じになります。

よく言われることですが、「前ボタンを閉めた時に、握りこぶし一個分が入る」ぐらいの余裕があるのが良いと思います。

次に、「座ってみること」です。

微調整は鏡の前に立ってすることが多いと思います。

が、立ってサイズ調整しても、いざ座ってみるとパンツのヒップがきつかったりすることがあります。

なので、微調整時には椅子に座ってみて、特にパンツのサイズに問題がないかどうかも確認していただくのが良いと思います。

ゲージがあるから失敗しづらい

もし「一から自分好みのスーツを作りたい」というのであれば、パターンオーダーでは難しいかもしれません。

というのも先ほどご紹介したとおり、パターンオーダーでは標準パターンのスーツが用意されており、そこから大幅に「スーツの基本的な形」を変えることは難しいからです。

一から自分好みのスーツを作りたい場合は、ビスポーク(=パターンオーダーではなく、フルオーダー)一択になると思います。

が、標準パターンのスーツがあるからこそ、仕上がりのイメージがしやすいのも事実です。

ゲージを着てみて、イメージと違うところがあれば、どんどん伝えましょう!

良いサロンの方であれば、こちらの要望に応じて色々と試行錯誤していただけるはずです。

最初のオーダーだと、膨大なバンチブックから生地を選ぶことにエネルギーを使ってしまいます。

なので、このサイズ調整の段階では「もう細かい点はいいか…」となってしまうかもしれません。

が、仕上がりのサイズ感はここで決まりますし、特に労力がかかるのはここまでです。

納得のいくスーツのため、妥協することなく要望を伝えましょう!