ネクタイの違いと選び方・結び方について

2024年1月14日ファッション

伝えたいこと

「タブー」は避けつつ、自分の好みを基準にネクタイを選ぶのがベター!
結び方は、結び目が小さくキレイに見えるプレーンノット一択必ずディンプル

自分の関心のまま吸収したことを共有し、少しでも誰かの役に立てれば・・・!

ということで、今回はネクタイの選び方について。

業種にもよりますが、服装に厳しい業種では着用できるネクタイの種類が限られ、またビジネスカジュアルの浸透によりネクタイの重要性が下がり、着用頻度もどんどん低下しているように思います。

合理的に考えれば、特に機能性もないネクタイが復活することはなさそうな気もします。

とは言えVゾーンを彩り、スーツスタイルの顔を作るネクタイは、メンズドレスファッションの要素としては欠かせない存在。

今でもお気に入りのネクタイを締めると、気持ちが引き締まるという同年代の方(40代前後の方)も多いのではないでしょうか?

ネクタイの種類や違い、結び方等について個人的な経験や解釈を交えてご紹介していますので、ネクタイが好きな方、あるいは久しぶりにネクタイを結ぼうかな、と思っている方の参考となれば幸いです。

なお、本記事では基本的にスーツスタイルをイメージして記載しています。

スーツよりも合わせの自由度が高い、ジャケパンスタイルを想定した内容ではありませんので、その点ご了承下さい。

ネクタイを構成する要素

一口に「ネクタイ」と言っても、概ね以下の要素に分解できると考えています。

  1. 素材
  2. 生地の柄
  3. 織柄
  4. 長さ

色は好みによる部分も大きいこと、幅や長さは既製品であれば選択肢が少ないことから、今回はNo.2の「素材」とNo.3の「柄」、そしてNo.4の「織柄」について、違いをまとめたいと思います。

素材による違い

ネクタイの最も一般的な素材はシルクで、皆さんがネクタイ売り場で一番良く見ているのもおそらくシルクのネクタイだと思います。

生地自体の滑らかさから一番結びやすい素材だと思いますし、光沢感により高級感もあります。

シルク以外にも代表的な素材としてウール、リネン、ニットがあり、ざっくりの違いとしては以下のようになります。

素材ドレス度の目安(3段階評価)着用季節
シルクドレス寄り(ドレス度:3)通年
ウールドレスもOKだが、ややカジュアル寄り(ドレス度:2)秋冬
リネンドレスもOKだが、ややカジュアル寄り(ドレス度:2)春夏
ニットカジュアル寄り(ドレス度:0~1)通年
素材として「カシミア」が使われることもありますが「シルク」の高級版、という位置づけだと思います。
なお、リネン×シルクなどの混毛のネクタイもあります。
画像ではわかりにくいですが、こちらがウール素材のタイです。
シルクよりも、どこか温かみのある雰囲気が好きで、秋冬はよく着用しています。

「ニット」はニットのような網目のネクタイ(ニットタイ)を指しており、ウールで作られているものもありますが、実際の生地はシルクのこともあります。

明らかに通常のネクタイと素材が異なるように見えるため、素材の違いとして分類しました。

カジュアルスタイルには定番中の定番である、ブラックのニットタイ。

剣先(ネクタイの先)が四角いものが多いネクタイで、見た目的にも通常のネクタイと異なる事が多いです。

こちらはニットタイではありますが、素材はシルクです。
網目がはっきり出ている点が通常のシルクのタイとは全然違います。

経験上、日本のビジネスシーンで考えるとシルクが万能、ウールとリネンは業種によってはOKで、ニットは難しい、という位置づけかな、と思っています。

ウールのネクタイは重厚かつ温かみもあり秋冬用、リネンは軽めで清涼感のある春夏用で、季節感を演出できオシャレ感も出ますので、職場で問題なければ是非トライいただきたい素材です。

なお、ここで挙げた4つは天然素材のネクタイとなります。

実はポリエステルやレーヨンといった化学繊維で作られたネクタイもあります。

これらはとても安価なため、手軽に購入できるのがメリットではありますが…40代のスーツスタイルにはちょっとそぐわないかな、という印象です。

というのも、天然素材のネクタイと比較すると、あまりに安っぽく見えるからです。

やはり天然素材で一般的なシルクのネクタイを一本は持っておくことをオススメします。

生地の柄による違い

一見すると、ネクタイの柄は様々あるように見えます。

細かく分類すると多岐に渡るようなのですが、おおよそ以下の6つに大別できると思います。

生地の柄柄のイメージドレス度の目安
(5段階評価)
無地(ソリッド)その名のとおり、柄なし
無地ゆえに、素材の違いが最もわかりやすい
5(最大)
ドットいわいる「水玉」
水玉の色や大小で様々な種類あり
小紋花柄にも似た紋章のある柄
紋章の大きさや数により様々な種類あり
柄の性質上、華やか(派手)な柄が多い
ペイズリー曲線と草花のような模様のある柄
なんともイメージしずらいため、以下の写真をご参照
こちらも柄の性質上、華やか(派手)な柄が多い
ストライプ線が入っている柄
線の幅、数によりこちらも様々な種類あり
チェックその名のとおり、チェック柄。
チェック自体にいろんな種類があるため、ドレス度は変動する
1~3
あまり一般的ではなかったため、アニマル柄やクレスト柄は表に入れませんでした。
ドレス度としては「1(=カジュアル寄り)」になると思います。
写真では分かりづらいですが、ネイビーの無地(ソリッド)です。
後で触れていますが、シルク、ネイビー、無地、ジャガードのネクタイは間違いなく万能です。
小紋のネクタイその1。小紋が大きく、かなり派手な部類です。
小紋のネクタイその2。見づらいですが、オレンジをベースとした小紋柄が入っています。
ペイズリー柄のネクタイ。個人的に好きな柄で、色んな種類を持っています。
ストライプのネクタイ。こちらも好きで、色々と持っております。
グレンチェックのネクタイ。ドレス度の高いグレンチェックであればスーツにも合わせることはできますが、
タータンチェックなどのカジュアル寄りの柄になるとちょっと難しいと思います…。

もろもろ調べた結果、おそらくルール的には上記のような評価になると思いますが、日本のビジネスシーンでは少し違うのかな、という印象もあります。

というのも、日頃いろんな業種の方とお話しますが、服装に厳しい業種の方でもストライプをされている方は多く、逆に小紋やペイズリーをされている方はほとんど見ないです。

ということで、(感覚なので明確な根拠はないですが…)日本のビジネスシーンのドレス度は、

無地(ソリッド)>ストライプ>ドット>小紋=ペイズリー>チェック

で、ストライプがかなりドレス度が高いものと捉えられている印象を受けます

ただ、無地やストライプだけだとバリエーションも限られるので、職場で許されるのであれば、相対的に華やかになる小紋やペイズリーにもトライいただきたい素材です。

一方で、スーツスタイルにドレス度の低いチェックのネクタイを合わせるのは難しいので、あまりオススメはしません(色味との関係になってしまいますが、ダークトーンであまりチェックが目立たないネクタイや、写真のようにグレンチェックのようなフォーマルなチェック柄であれば、大丈夫だと思います)。

織柄による違い

先程は「生地の柄」でしたが、こちらは「織柄」です。

ネクタイ売り場に並んでいるネクタイの生地をよく見ると、デコボコがあるものと、何のデコボコもないツルッとしたものの2つがあることに気づかれると思います。

前者の多くがジャガード織りのネクタイ、後者の多くがプリントのネクタイになります。

ジャガード織りのネクタイは、「織り」と言われているように織り機で生地を織り込んで作るネクタイのため、先程デコボコと表現した「生地感」があります。

線のような織柄があるのがジャガード織りのネクタイです。

一方でプリントのネクタイは、白生地に染色 or 転写のいずれかの方法で生地に色や模様を写していくネクタイで、「生地感」はなく、ゆえにツルッとしたネクタイとなります。

染色か転写によるプリントネクタイには、織り柄がありません。
なお分かる人には分かってしまうことですが、写真のネクタイは全てBEAMS Fで購入したものになります。

製法の違いにより、一般的にはジャガード織りのネクタイの方が生地が厚く、重厚感があります

逆にプリントのネクタイは生地が薄く、軽快感があります

パッと見たところでは気づかない違いかもしれませんが、ジャガード織りのほうが重厚感もありドレス寄り、プリントのネクタイは若干ドレス感が弱まる、という感じになります。

ネクタイの選び方

ここまでご紹介した素材、柄、織柄の違いに加え、さらに色の違いがあるネクタイ。

選択肢は無限大に広がってしまいます。

ではどうやって選ぶのが良いのか、ということですが、

個人的には「タブーは避けつつ、職場が許す範囲で自分の好きな色、素材、柄を選ぶのが良い」と思っています。

当たり前の結論で恐縮ですが、ここでのポイントは「タブー」です。

「タブー」とは例えば、季節違いの素材のネクタイをしてしまう、スーツに明るめのチェックのネクタイをしてしまう、重厚感のあるスーツにプリントネクタイをしてしまう、というようなチグハグな状況のことです。

ということで、タブーを避けやすいのは、

素材はシルクで、

生地の柄は無地、ストライプ、ドット、可能であれば小紋、ペイズリー

織柄はジャガード、

という中で、自分の好みで選ぶのが良いということになります。

大雑把な選び方となってしまいましたが、自分の好みで色々なネクタイをしていると、「自分にハマる」ネクタイというのが見つかります。

「このネクタイは何となく結んでしまう」とか、「何となく落ち着く」とかいう感覚です。

これは色々なネクタイを付けてみないと、なんとも判断できないことなので、自分ハマるネクタイを選ぶためには「ネクタイの経験値」を上げることが必要なんではないかと思っています
(ネクタイに限らず、服全般に言えることかもしれませんが。)

ちなみに、少し話はそれますが、色がネイビーで、シルクで無地のソリッドかつジャガードのネクタイは、最も汎用性の高いネクタイだと思います。

お持ちでない方は1本は準備されておくと、ネクタイ選びに迷ったときに必ず役立ってくれるはずです。

ネクタイの結び方

最後に、ネクタイの結び方です。

こちらはシンプルで、プレーンノット一択です。

プレーンノットの結び方は、以下のサイトをご参照ください。

初心者でも簡単!ネクタイの結び方を動画&イラストで徹底解説【基本の結び方4種+上級者向け5種】

見ていただくと分かるとおり、プレーンノットはネクタイの結び方でおそらく一番最初に教えてもらうであろう、最もわかりやすい結び方です。

なぜプレーンノットが良いのか、という理由ですが「結び目を小さくすることが出来るから」です。

スーツのデザインや、シャツの襟の大きさとのバランスにもよりますが、基本的にネクタイの結び目は小さくまとめるほうがVゾーンはキレイに見えます。

よって、色んな結び方がありますが、基本的にプレーンノットで問題ないと思います。

その際、ディンプル(ネクタイの「くぼみ」)を作ること強くオススメします。

ディンプルにより、ネクタイに立体感が出て、さらにスタイリッシュに見えます

ディンプルを作るのは最初は面倒に思ってしまうかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。

色んな方法があるようですが、以下のサイト等をご参照ください。

ネクタイのディンプルを一日崩さない方法

✕な結び方

結び目が小さくなるのであれば、どんな結び方でも良いのですが、できればやめていただきたいのは、結び目がオニギリのように大きい結び方です。

締まりのない、だらしないVゾーンになってしまうので、結び目はなるべく小さくするよう、調整いただくのが良いかと思います。

悩んだら、プレーンノットで問題ないです。

また、ネクタイの大剣は必ずベルトに届く程度で結んでください

異様にネクタイが短い人、長い人を時折見かけます。

せっかくの良いネクタイであれば、正しい結び方のほうが、絶対にかっこよく見えますので、参考になれば幸いです。